今年も粘りだけが武器

  4日の夜。奥さんの帰省先から戻り、今年初の釣りに赴く。いつもなら鳴門で日の出を見ながら初の釣りとボーズを迎えるのだけど、年末も釣れなかったのでやめた。それで、吉野川のアフター狙いに切り替えた。満潮が20時くらい。潮が動く時間帯を見計らって22時頃から釣り開始の予定。でも、あまり遅くやって日曜日の朝起きるのが遅いと、次の日の仕事でまた鬱状態に拍車がかかるので、ほどほどにしておくつもり。ああ、翌々朝のことまで考えて釣りをするようになってしまったか。

 

  予定通り22時頃付くと・・・・なんということだ、シラスウナギ漁の船が群れている・・・(泣。もう下げ潮なのに・・・。下げ潮ではいなくなると思ってたのは俺の勝手な思い込みだったのか?下流側にたむろってるので上流側に目を向けると、この夜に投げ釣りっぽいことをしている人たちのグループ。何が釣れるんだろうか?どうしようかと思案してると、漁船が下流の方へ移動し始めてる。なので、その間で影響しなさそうな距離を取って釣り開始。

 

  月明かりはなく暗いので、でかくで目立つ方がいいと思い、ショアラインシャイナー SL14 DT F-Gのチャートからスタート。反応無いのでやや深めを探るためにカレントマスターに交換。反応無いので足場変えて。ルアーもタイプや色を変えて探って、と言うのを繰り返す。

 

  いつまで経っても反応無し。疲れた。寒い。それになぜか1艘だけ漁船がいつまでも残ってる。捕れるから残ってるのか、捕れないから粘ってるのか。ここ数年シラスウナギの不漁が伝えられるが、今年はどうなんだろうか。いずれにしろ俺にとっては邪魔でしかなく、探れる場所がなくなってきた。そもそも、俺が来る前にここら一体漁りまくってたに違いない。シーバスも散った気がする。もうすぐ24時。もう帰ろうか。いや、もうちょい粘ろうか。とは言ってもここらはもうだめかな。

 

  そこで、車に乗ってやや上流側に移動。こんな機会なので、やったことないところで探ってみよう。人の居ないところを確認して釣り再開。んー、なぜだか流れが弱い。一様に流れているように思ってたけど、上流側の方が弱いのだろうか?はー、寒い。夜明けの釣りは段々明るくなり、気温も上がるから気分的に上がってくるんだけど、深夜に向かう釣りはその逆。冷たい空気がずっしりと染みこんでくる。気分も段々落ち込んでくる。一人でいるのが好きなので、当然話し相手もいないし。何度か足場を変えたけど変化なし。

 

  1時。予定オーバー。はー、あかんな。この足場を最後にするか。月明かりのあるときしか使わないレインボーカラーを敢えて使ってみようか。行け、サイレントアサシン。

 

がっ

 

っと来た!!ばしゃばしゃと水面で暴れている!!ドラグは鳴らないけど、ずっしりと重みを感じる。やった。粘った甲斐あった。最後と思ってほとんど諦めてるときにヒットするこの奇跡。タモの準備をし、ヘッドランプをつけて、さあ、いざ、取り込み!!

 

  と思ってロッドの向きを変えたら、すぽっとルアーが水面から飛び出した。あっ。数m先、シーバスの白い魚体をかすかに確認して、見送るしかなかった。

 

  がーん。もう、すぐそこだったのに。今年幸先良いスタートを切るところだったのに。まだ心臓がどきどきし、膝が震えてるのに、残ったのはむなしい釣り人の姿だけ。一応カレントマスターをその後投げたけど空振り。がっかり。

 

  いや、この初めての場所で十分な手応えが得られた。これだけでも十分ではないか。これ以上何を望むのか。釣りは今日で終わりではない。この次の楽しみができたじゃないか。もう疲れたしな。

 

 

  川を背に車に戻る。・・・・・。・・・あと1回だけ、もう1場所だけやってみようか・・・。シーバスが回ってきたのかもしれん。再びサイレントアサシンに戻し、下流側に移動して投げる。緩いと思ってたけど、やや沖の方のあるところにさしかかると、引き抵抗が重くなる感じがした。さっきはそんなときに食ってきた。やや下流側に投げてそろそろと巻いて、ぐっと重くなると・・・・

 

  ががっ

 

  とまた来た!!さっきばらした後、ドラグは緩めにしてある。テンションを緩めず、かけ過ぎずを気をつけて寄せてくる。川の流れがあってかなり重量感。頼むよ、こんどはばれないでよ。

 

  image

 

  うう、やった、やりました・・・(泣。粘った。自分に克った・・・。本当にこれで最後の1投と思った時に来てくれた。水に浸した状態で写真撮ったらやせてる魚体が余計やせて見えてしまう。記念すべき1匹目なのにもっときれいに撮れば良かった。メジャー当てたら71cm。約1年ぶりの70アップ。うう、ここまで追い込まんと釣れんもんか。もう締めて持って帰る気力もない。痩せてるしなんかかわいそうで逃がした。まあ、食べたらそれなりにおいしいんだろうな。今度釣れたら持って帰ろうか。みんな喜ぶと思うし。体力があれば・・・。

 

  タモに絡んだルアーをもたもたして外して撤収。家に着いたら2時。片付けて即寝。粘って得た物はあった。いつもと違う場所で釣れたし。きっと、川の流れは大きな流れの中に何かしら変化があるんだと思う。鳴門だって、盛期は夜明けに行けばどこでも釣れるだろうくらいにしか考えてなかったけど、もっといろんな条件が絡んでるに違いない。そんなふうに今頃になってやっと感じ始めた。自分自身、2月の真っ暗なときに釣れたことがあるというのに。

 

  かといって、今回釣れたところで次も釣れるわけではないだろう。流れなんてちょっとしたことで変わるに違いない。結局、手当たり次第に投げて感じるしか方法を思いつかない。何事もそうだけど、釣りなんて特にこうすればいいなんて単純な物ではないんだろうなあ。ああ、心身ともにきつくなってきた。いつまで続けられるだろうか。