そこに打つだけ

テニスに関するダイレクトメールがちょくちょく送られてくるんだけど、最近はトスのことがテーマのメールが来た。英語なので読むのに疲れる。動画とか紹介されても聞き取れないし。しかし、ちょっと気になってサンプラスの横から見たサーブの動画をチェック。

 

https://www.youtube.com/watch?v=Bv55ziPj-m4

 

・・・。見てるとトスのことはどうでもよくなった。なんていうか、全くよどみのないリラックスしたフォーム。練習であることを差し引いても、こんな滑らかな動きができるものでしょうか。だからこそスピード、スピン、コース全てが極めて高いレベルなんだろうけど、フォームのことなんか逆に何も考えてないように見える。

 

インパクトの時の肘や手首の角度は?面はどういう感じでボールに当ててますか?膝とテイクバックするタイミングは?」

 

とか聞いたら

 

「は?何言ってんの?そこに打ちたいから打ってるだけだけど。」

 

とか言われそう。

 

前の試合の時からうすうす感じていたことが思い出される。お遊びで、コートに入るように何となく打つことはできる。でも、試合で相手に勝とうと思う本気のボールが打てない。そうだ。ボールを打つために、テイクバックはこう、手首はこう、面はこう、とか考えている時点でだめなのだ。そんなことを考えるだけで体の動きは止まる。体のあちこちにひずみが生まれて、活きたボールが打てなくなる。コートに入れることはできるけど、相手を慌てさせることはできない。飛んできたボールを見て、次にどこにどんなボールを打つか感じて打つのみ。そのレベルで打てなければ本当のテニスではない。

 

イップスのこともまた考えてみた。こういうのはレベルの高い人だけが悩むものだと思うけど、練習でできることが試合でできないというのはちょっとおかしいと思う。今までのことを思い出したら、打てないときほど、こういうふうにラケットを出せば入るはずと考えて打とうとするけど、余計におかしくなる。ひどいときには手が震え出す。でも、練習の時はそんなことは考えてない。打てるから考えない。考えなくても打てる。そこに打ちたいから打つだけ。

 

また一つ、ヒントが得られた気がする。