2024とくしまマラソン 見果てぬ夢は永遠に

やっとこの日が来ました。5年前のずたぼろ完走後、一度は金輪際走らないと決めた物の、もう一回まともに最後まで足を動かして完走をと思い直した。今回本格的に練習したのは1月からだけど、4年前から練習しても2回連続コロナで中止にされ、3回目はヘルニアで練習できず。去年はハーフマラソンにとどめた。そして今回、5年越しの宿題を終わらせるべく今日を迎えた。

 

生憎の前だが33km練習したときも雨でカッパで走ったので問題ない。下は長のワークマンカッパ。上着を悩んだが、ワークマンの薄い防水パーカーを着てその上にゼッケン付けた白衣。防水機能がどこまで続くか心配だったが、その上にビニールポンチョを追加。完璧だ。寒くないこともあって、他の人は短パンに長いコンプレッションインナースタイルがほとんどだが、雨に濡れて長時間重きインナーで走ることになるのが目に見えている。

6時に朝起きて早く食事をすませ、家を出る前に体の中から出し切った。奥さんに近くまで送ってもらい、仮設トイレでもすませた。完璧だ。水分はスタートまで取らない。前回、寒いのに不安で水分取り過ぎてトイレ行きまくった反省を活かす。

 

スタート直前。俺はEブロック第2ウェーブで10分遅れのスタート。目標はとりあえずネットタイムで5時間切り。途中でだめな状況になったら5時間半に切り替える。


後藤田知事とゲストランナー、ゲストお笑い芸人さんたち。結局、メインのでかいスマホは持って行った。ゴールまで、使ったのは結局この2枚の写真を撮っただけ。万が一に手荷物が紛失したときに追跡できるようにと思って持って行ったのだが、はっきり言って邪魔で後悔した。

 

スタート後の1kmは7分/km越えたが、その後、集団の中でも6:30~6:50/kmのペースは維持できて進んでいく。前の人を交わすためにちょこちょこコースを変えるのは負担だが、できれば貯金を作りたいので、7分/kmを下回らないように進む。

 

調子はまあまあ。どうしてもペースを上げたい気持ちが出てくるが、コースを3分割にして、14kmまではなんとか我慢。14km来てさあどうしようか、というところ。しかし、既に足の疲労を感じ始めた。そこまでは上げられるけど抑えていたが、14km過ぎた後は、上げたつもりが上がらない感じ。無理すれば上がるがまだまだ残っているため、ここで消耗するわけにはいかない。なので、結局同じペースを維持して、西条大橋の24kmでの折り返しまではこのペースで我慢することにした。

 

給水は10km、20km過ぎるとこrまで手をつけない。前回は寒いのに水分取り過ぎてトイレに3回行った。今日は寒くないけど雨で湿り続けてるので、やはり取り過ぎは禁物。エイドが出てきたが、タイム的に余裕なく、イチゴをもらっただけで過ぎていく。ただ、イチゴがものすごく甘くてうれしかった。

 

栄養補給も10km、20km過ぎたタイミングで。下のカッパにポケットがないため、その下に薄い短パンをはいて、その中にジェルとか入れていた。ただ、これが結構手間取る。ポンチョを着ているためポケットに手が届きにくい。手探りでごそごそ探し、あ、間違えた、で探し直し。ジェルはともかく、粉末のアミノ酸は口の中に入れるのに手間取り、そうこうしているとペースが落ちる。

 

土手の道は正直走りにくい。人が多いのはもちろん、路面は車のタイヤが通るところ中心に下がっているため、雨の水たまりが大きくずっと続いている。そのため、元々広くない走路が余計に狭められる。序盤、順調にペースを刻んでいたものの、前の人を交わすのに苦労する。仕舞いには面倒で水たまりの中を滑走。誰もいないゾーンでどんどんん抜いていく。当然、シューズはずぶ濡れだけど気にしない。ま、これも後から考えると負担だったな。

 

20kmあたりまで進んでくると、徐々にプラン通り行かないことが増える。足の疲労がやはり大きくなってきた。30km手前までは大丈夫と思っていたが、ペースが7分/km声出す。

そして、万全の準備をしたはずの大腸、直腸に異変。なんか出てきそうな感じ。おかしい。一昨日の晩、下剤を飲んで昨日体の中のものは出し切った。今朝も。もう何も残ってないはず。しかし、現実には何か出てこようとしている。だましだまし来たが、これはもうゴールまでは抑えられないことは確実と悟った。走る前、小さい方は雨が降ってることだしカッパだから、最悪走りながら出してもばれないとも考えていた。しかし、大きい方はそうはいかない。液体ならばれるだろうし、固形だとそんなものをパンツの中に抱えたまま走るなんて気持ち悪すぎてできない。

行列のできてないトイレを見つけ、一気に方向転換して飛び込む。ぐわー、和式か。疲れた足にしゃがみはきつい。がしょうがない。狭いし服はかさばるし不愉快ながらも我慢しながら事を進める。んー、どうやら昨日の晩食べたものかな。下剤を飲んで出て終わりと思ったが、どうも腸の蠕動運動の活動が維持されてて、かなり早く出てきたように思う。

あー、もう最悪。5分はかかってないと思うがロスした。さらに最悪なことは続く。手洗い場もあるのだが、このトイレだけなぜかやや離れたところにある。そして、その間に沼のような巨大な水たまり。さすがにこの中を突っ切る気が起きないくらいでかく深い。大きく迂回すればいいのだが、タイムに余裕がない。追い詰められた俺は、手を洗うことなく、手袋をし直して走り出す。このトイレ、救護所から道を挟んだ位置にあって、結構たくさんな人が集まって応援していた。俺がトイレに入るところは目に入ってるだろうし、出てくるまでの時間をからして、何をやっていたのかも予想がつくだろう。そして、出てきた俺は手を洗わずに走り出す。「あれ、あの人、手洗ってない・・・。」的な・・・。まあ、手袋ずぶ濡れだし、雨に打たれ続けているので・・・。

なんか、栄養補給のジェルもまずかったかな。栄養切れる前に食べてたのだが、どうも消化できてない気がする。腹痛くなる前もバナナ食べたんだけど、そこをきっかけに痛くなってきたし。

 

鬼門の西条大橋。とても長い急な上り坂。タイムも気になるが、前回もここで消耗しきったので無理しない。早歩きでやり過ごす。山伏部隊の人から「完走結願」のシールもらう。ポンチョの下の白衣に貼ろうとしたところ貼れない。白衣が濡れている?なぜ?そういえば、なんか上も下もインナーが濡れてる気がする。パーカーも撥水してない。雨が染みこんでるのか?

 

南岸の堤防に至り残り18km。疲れてはいるが足はまだ動いている。前回に比べて明らかに進歩している。関門制限も気にする必要ない。ここからは道も下り傾向。時間的にも3時間弱と5時間切りにはまだ届く。さあ、行け!!

と思ったが、25kmあたりで両足膝上の筋肉がつった。かなり頑強に。走れなくなる。俺もこれを無視して走れるほど精神力はない。一気にペースが落ちる。つっても我慢して歩を進めていれば回復してくる。ようやく走れるようになって走ると、今度は別の場所がつる。また歩く。ぐわー。33km練習したときはペースも維持して足つったりしなかったのに。

前回の時はつりはしなかったが、足全体がひどい筋肉痛状態で1歩毎に激しい痛みと闘っていた。つった状態でテニスとかするのはいつものことなので、その点はましだが、走れないことには変わりない。走ってはつり、走ってはつりを繰り返して進んでいく。

第十堰。雨のせいでいい感じで濁っている。シーバス釣れそうだな。

 

30km。長いわー。まだ12kmもあるのかー。がんがん抜かれていく。くそー、みんななんでそんなスピードで足が動く?今まで何してた?20km過ぎに早めにと思ってバファリンを飲んでいたが、本格的に痛くなってから飲むべきだったか。

しかし、あと12kmでフルマラソンから解放されると思うと寂しい気もするな。辛いけど半笑いで進んでいく。33kmで3時間40分。サブ5まで9kmで1時間20分。普通に考えれば行けるのだが、足がつっておりペースは8:30/kmを越えている。この後もペースが回復する望みは薄し。もしかしてと思ってペースを上げるものの、しばらくするとよりひどくつってしまう。この時点でサブ5は諦め、サブ5.5に切り替える。

 

5.5ならなんとかなるだろう。しかし、だらしなく走るのも許せないし、5.5もきつくなる。「がんばれがんばれ」と自分によびかける。それでもふがいない時は「行け!!ぼけ!!何のために練習したんじゃ!!」と叱咤する。9分、10分/kmとなる区間もあるが、なんとかぎりぎりのペースで進んでいく。こんな状態になると、もう悟りの境地。仕事がつまんないとか、子供むかつくとか、もうどうでもよくなる。手洗ってないのとかどうでもいい。

あー手が冷えてじんじんしてきた。ずぶ濡れ状態でずっと来てたからな。絞ると水が落ちる。

序盤、過剰な水分補給を避けてきたが、給水のたびに手を出す。喉は水分をほしがるが、胃はたぷたぷ。どういう状態なんだこれは?

 

残り5kmあたりとなり、終わりが見えてきた。結局足動かして走りきると言う目標は遠く及ばないが、タイムは前回より大分上回っている。さあ、足引きずって一気に駆け抜けようぜ。

しかし、ここからよりきつくなる。ここまで自分で自分を叩いて進んできたが、それもできなくなる。足は全然動いてないのに、呼吸が追いつかない。息が切れて続かない。やばい。足も呼吸もとなると本当に動けなくなる。さらに濡れたインナーが足にまとわりついて邪魔する。こんな状態で無理に走ってると死ぬんじゃないのとさえ思う。

あ、5時間30分のゼッケン付けたペースメーカーに抜かれた。やばい。ついて行かなきゃ。しかし、数十mも進まぬうちに悲鳴が出そうなほど足がつる。よく考えたらあの人達はグロスでの5時間30分だから、少なくとも10分は俺より早い。無理について行く必要はなかった。

 

「疲れたー、きついー」と勝手に口からこぼれる。でも一応足は前に動いてるので、その分前に進んでいる。

40km。いよいよ後2kmちょい。あれ?あの人は見覚えのあるテニスのお知り合いでは?おかしいな。歩いてるぞ。あの人は4時間切れる健脚の人。見間違いかな。でもゼッケンはAだな。やっぱそうかな。なんかトラブったかな。でも声かけないでおこう。俺なんかに追い抜かれたとわかったら気分を悪くするだろうからやりすごそう。

 

残り1km。終わる。ついに長い旅が終わる。俺の時計によれば5時間半まで残り15分。ま、さすがに大丈夫だろう。しかしGPSの誤差か、走路の距離を示す看板より200m位手前でカウントしていたので、時計を信じているとまずい。5分くらいは余裕を持ってゴールしたい。急げ急げ。高校生が元気に応援しているコーナーを曲がってさあ行くぞ!!という瞬間

「ぐわー!!」

右足太股裏が強烈につった。しばらく動けない。動き出してもひきちぎれそうに動かない。でも残りわずか。悲惨なほどぶさいくに足を引きずって進む。しかし今度は左足の太股裏がつる。あー、もう目がかすむ。競技場はどこだ?まだ選手が入っていくところが見えない。

来た、あそこだ。無様な足運びで会場へ。遠い。ゴールまでが遠い。でも進め。緩めるな。タイムが心配だ。ゲストの神野氏と長谷川さんのお出迎えしてくれた。

 

ゴール・・・。

もう、何も考えられない・・・。ぼーっと進んで、タオルとメダルをもらい、計測チップ外してもらった。

奥さんから連絡あって合流。思いのほか元気そうに見えたみたい。まあ、前回はぎりぎりだったし、まともに歩けてなかったからな。今日は歩くことに支障はない。

プールで着替え。やっぱり身につけていた服が全部ずぶ濡れ。気がえて荷物を持つと、濡れた衣装がむちゃくちゃ重い。

 

結果、

 

ネットタイムで5:29:30。

あぶねー!!

あぶないとは思っていたが、残り30秒とは思わなかった。くっそー、トイレ行ってなけりゃグロスでも行けたかもしれないのになー。まあ、目標を5.5に切り替えてそれに合わせて走ってたから一緒かな。第2目標を5,15、第3目標を5,30とした方が良かったかな。

 

今回、こうしておけば良かったなー、と後悔することが4つ 5つ。

 

1.下剤を木曜日、または金曜日の朝飲むべきだった。金曜日の夜に飲んで、金曜日までに食べたものは出て目的を達していたと思った。しかし、余計にも土曜日に食べたものを走ってる間に出すことになるとは思わなかった。予行演習しておくべきだった。

 

2.衣装を軽くすべきだった。上は冬用のインナー、長袖Tシャツ、防水パーカー、白衣、ビニールポンチョ。下はコンプレッションインナー、短パン、ワークマンカッパ。というスタイル。ポンチョとカッパ以外、最終的にずぶ濡れだった。パーカーは防水機能完全なくなってた。雨がどこからか染みこんできたのかと思ったが、カッパの下のインナーが濡れるのはおかしい。となると汗か?暑さは感じず、むしろ手先が冷えたくらいだったのに。ポンチョとカッパという通気性の悪い物のせいで汗がたまったのだろうか。着替えた後の荷物の重さにびっくりして、この重量を身にまとって走ってたらダメージになるだろうなあ、という感じ。どうせずぶ濡れになるなら上はTシャツまたはカッパなし、下はカッパでなく短パンで良かった。

 

3.直前の練習ミスった気がする。2週間前にハーフ。これもやり過ぎかと思ったが、その2日後と4日後の2回の平日ランニング。今まで1回しかやったことないのに、最後の追い込みと思ってやった。で、その次の土曜日にテニスの試合やった後に走ろうとしたら全く走れずやめた。日曜日に仕切り直したものの、10kmで力尽きて歩いて帰った。この時点何かおかしかったはずで、もう本番まで何もしないで良かったかもしれないところ、本番3日前にランニング。今日、体力が回復しきってなかった気がする。

 

4.インソールをデフォルトの柔らかいのにすべきだった。33km練習でクッションのあるシューズが必要だと思ってGT-2000買ったのだが、その時インソールも勧められて1万円近いカスタムメイドのカスタムバランスというインソールを買った。確かに足にフィットしてスピードは上がった。しかし、本来必要だったのはクッションなのに、このインソールにするとデフォルトのインソールより硬く、本来にクッションがなくなった。33km練習の時は最後までほぼ7分/kmのペースが維持できていた。今日は序盤約6:40/kmのペースが15km位まで維持できたが、その後7分前半/kmに落ち、25kmあたりで足がつってガックーンとペースが落ちた。結果から考えて、標準でついてるデフォルトのインソールで行っておくべきだった。序盤のスピードは出ないだろうけど、もっと長く足が持っただろうと思う。

 

5.もう少し練習開始するのを早めるべきだった。せめて後2週間。1月に入ってから長距離に入ったのだが、ちょっと無理して距離を伸ばす感じになって足が追いつかなかった。フォームの見直しとか新しいシューズの購入も直前になって、対策が後手に回った感じ。

 

これら4つ 5つのことが改善できていれば、もしかしたらサブ5行けたかもしれない。まあ、でも5や5.5とかはどんぐりの背比べのレベルかな。

今回のラップ。GPSが距離を短めに計測していたようなので、実際には+10秒とかかかってるのかな。

 

最後まで足を動かして5時間を切るという目標はいずれも達成できなかった。結局、後半のずたぼろ具合は5年前とあまり変わらなかったな。残念だけどもう十分。3ヶ月の練習でここまでできてもう満足。所詮、俺は長距離に向いてないと諦めがついた。タイムは50分くらい早くなった。一応この日のために練習してきて、その程度の改善か。今回後悔した5点クリアしてたらなという後悔はあるけど、それも所詮5時間程度にしかならないレベル。これをこれから練習重ねて4時間半、4時間とかやっていくのは、これまた費用もお金も時間も大変なことになるし、その結果に価値を感じない。元々1回走って終わろうとしていたフルマラソン。もうこれで十分。

でも、いい経験になった。テニスの試合でここまで目標決めて、あらゆるリソースをつぎ込んで準備することなんてない。大変ではあるけど、マラソンを目標に普段から練習を重ねることは尊い事だと思う。

ただ、エントリー数は7773人なのに、ニュース見てると走ったのは6499人。1200人以上少ないのだけど、これは何?いつもそんなもんなのかな?それとも雨降ってたから諦めた人が多かったのかな。

 

大会を開催してくれて運営に関わってくれたスタッフ、ボランティアの皆さんありがとうございました。俺みたいなのが完走することができました。雨の中沿道で応援してくれた皆さんありがとうございました。今回も勇気もらいました。

たった2回だけどいろんな思い出をくれたとくしまマラソンありがとうございました。どうかこれからも末永く続く大会でありますように。